ストレス抵抗性・疲労・精神安定に飛びぬけた効果があると言われる
最高位のハーブ「アダプトゲン」に入っているホーリーバジル。
そんな中から今回扱うのは 3大品種 ラマ・ヴァナ・クリシュナ・に加え
日本の環境にあっていて育てやすいオオヤ と個人的に香りが好きなカプーアを紹介!
育成の様子や分かったこと、その他色々な情報をまとめてみました☆
バジル系のハーブは交雑種が非常に多く、なかなか純系は見つけにくいです(;´Д`)
完全なニセモノも多く出回っているので苗集めも一苦労でした・・・
あるていど仕入れルーツがしっかりしているショップを選んで苗を入手しましたが、
おそらく完全な純系統ではないかもしれません。(というか本場インドでも交雑種が
出回っているようなので)
しかし この10年間、小まめに苗を収集して 本来の品種特性に照らして
一致するものを厳選して育成してきました(;^ω^)
今回は10年育成してきて分かったこと、その他の知識などを記録してみました。
目次
最高位と名高い!【クリシュナトゥルーシー】
ヒンズー教の最高神ヴィシュヌの8番目の化身であるクリシュナの名を冠する
トゥルーシー! (色がヴィシュヌ神の肌の色にそっくりです)
「黒トゥルーシー」と呼ばれることもあります。
薬効も高くインドでは寺院などに神聖な植物として植えられているほど格式高い
ハーブです。
始めは種を購入して実生ではじめてみました。
ホーリーバジル(トゥルーシー)系の種は土の表面にバラ撒きのほうが
発芽率が良いように感じます。
しかし、途中で土表面が乾燥してしまうと枯れてしまうので
種まき → ある程度根が張るまでの間は念のため卵のパックで
簡易小型保湿ドームをかぶせています♨
管理する場所は明るめの窓辺(バジル類は発芽に光を必要とするものが多いようなので)
水かけは土の表面が乾きそうになったタイミングで霧吹きで行いました♪
気温は20度前後 5日ほどで発芽!
(我が家は熱帯に近い地域なので12月に撒きましたが内地では春に
撒かないと発芽しないかと思われます)
双葉がでてその後、本葉が出るまではスクスク育つのですがその後 なぜか
成長停滞・・・(この時期ここらは曇りの日が多いからなのか?)
5cm位の背丈になって花壇へ移植。
それからゆっくり葉数を増やして行き、本葉が10枚超えたあたりから
爆発的に成長(≧▽≦)! これくらいから成長スイッチが入りました ↓
苗が弱いうちは トゥルーシーの周りの土をクレーター状の形状にして
風よけ&乾燥しすぎ防止をしています。
(30cm位まで成長したら逆に水はけを良くして
乾燥気味に管理した方が元気に育ってくれます)
無事に開花までこぎつけました! ↓
本葉が出始めた頃は紫がかっていた葉っぱが 地植えしてしばらく経つと
色抜けして 茎だけ紫色が残っています(土質の影響なのか?・・)
発芽率は良好でネット上の画像検索で出てくるようなクリシュナらしいいで立ちに
育ってくれたのでおそらく品種はニセモノではなさそうですが、香りがイマイチ・・
というかほとんど香らない( ;∀;)
それに環境によるものなのか個体によってだいぶ特性(香り・色・生育)に差があります。
花壇を変えただけで葉っぱがドス黒に近い紫いろに変化したり、上の写真のように
茎だけ紫になったり・・・
そこで比較的出所のしっかりしていそうなショップで苗を購入することにしました!
こちらが届いたクリシュナトゥルーシーの苗 ↓
葉っぱを少しちぎって 嗅いでみると ホーリーバジル特有の
スパイシーな香りがします(´▽`)
苗の時は色素が出たりでなかったりですが、太陽光をたっぷり浴びて成長していくと
紫がかってきます(^^)
やはり 確実に良品質なものが欲しい場合は出所のしっかりした
ショップさんから苗の状態で購入した方がいいようです(^^♪
クリシュナと双璧をなす高位のハーブ【ラマトゥルーシー】
クリシュナが黒トゥルーシーなのに対して 葉っぱが若干白っぽいことから
「白トゥルーシー」と呼ばれることがあります。
ラマ以外にもラーマと呼ばれていることもあるようです。
ラマ(白)とクリシュナ(黒) ぜひそろえて育てたいホーリーバジル界の双璧です♪
種まきとその後の成長・管理はクリシュナとほぼ同様です ↓
白トゥルーシーというだけあって、茎も白っぽい(うすい緑?)。
成長して開花した姿 ↓
クリシュナは "黒" ラマは "白" ってイメージが強かったのですが、
実際に育ててみると葉の色は
◎ クリシュナは紫色が入ることもある(成育環境によってだいぶまちまち)
◎ ラマは白というよりは薄めの緑色
茎が
◎ クリシュナは紫
◎ ラマは薄緑
といったところ。
また、葉っぱの色については植える場所や日光の当たり具合でも
だいぶ色の出方に変化があります(;^ω^)
試しに庭へ直播したクリシュナは黒に近いくらいのドス紫で 同じショップの
種とは思えない色素っぷりでした(その後カタツムリに食い尽くされてしまいましたが)
過酷な環境に置いた方が本来の色素が発現しやすいのかもしれません・・・
ラマはクリシュナより虫による食害が1.5倍ほど多いように思えます。
あとなぜか実生のラマは花が超小さい・・
とりあえずこちらも実生だけではなく 信頼のおけるショップさんから
苗も購入してみました ↓
香りは
- 実生 → 雑草のような青臭さの中にかすかにハーブ臭
- 苗 → スパイシーと石鹸を混ぜたような爽やかで清潔感あふれる香り!
見た目は似ているのにだいぶ違います・・
葉っぱは 苗で購入した方が細長い形をしています。
食べた感じは クセが無く食べやすい ピリピリ感も皆無です♪
薬効高そうなヴァナとはだいぶ違った印象。
これなら料理の種類を選ばずに何でも使えそうです。
第3勢力デトックス特化型【ヴァナトゥルーシー】
クリシュナ、ラマの双璧に続いて 3大トゥルーシーといえばこの
「ヴァナトゥルーシー」(ツリーバジル)!
解毒作用が強く わが家ではデトックス特化型として重宝しています♪
葉っぱが大きめでギザギザ! ワイルドないでたち。
おそらく有名品種の中ではいちばん野生を残した系統ではないかと思われます。
とにかくニセモノが多く、取り扱いも少ないのでやっとの思いで苗をゲットしました(;^ω^)
待ちに待って 届いた苗がこちら ↓
野性味のある大きなギザギザ葉っぱがインパクト大!
届いていきなりですが 気になってしょうがなかったので 早速葉っぱをちぎって
嗅いでみると・・・
メッチャ香り高い! しかも時間経過後も残るスパイシーな香り(´▽`)
さらにチョコっと味見をしてみると・・・
舌に心地いいピリピリしたメントール感。
明らかに薬効が激高そうな雰囲気がビンビンに伝わってきます
さすがはホーリーバジルの中で最も野生の生命力を秘めていると
うたわれるだけのことはあります・・・
衝撃的なインパクトでした(≧▽≦)!
ちなみに 3大品種 「クリシュナ」「ラマ」「ヴァナ」は成長力(勢い)にも
だいぶ違いがあります。 ↓
↑ ヒョロッとスタイリッシュな感じで良く伸びるけど 若干きゃしゃな感じの
ラマトゥルーシー。
成長力は中くらい?
↑ 茎がフッサフサの毛に覆われて多少 強度もあるが 一番ミニマムなクリシュナ。
成長力は小?
↑ 問答無用で最強感あふれるヴァナトゥルーシー!
さすがは野生種・・
圧倒的な生命力。 成長力は断トツのNo1です。
今後の成長は分かりませんが 楽しみながら観察していきたいと思います(≧▽≦)!!
日本の風土にベストマッチ!【オオヤトゥルーシー】
日本での育成を考えてブリードした品種というだけあって
他の品種と比較してもとても育てやすい印象があります。
挿し木の活着率も70~80%と非常に優秀! バンバン増やせます!
「クリシュナ」「ラマ」「ヴァナ」で失敗した方でもオオヤトゥルーシーなら
成功確率がグッと高いように思います。
肥料少な目の土に乾燥気味に管理すればだいたい成功します(^^♪
香りはカプーアよりはバニラ臭が薄いような感じがします。
香りの強さはやや強め、リラックス効果が高そうな香りが漂います(´▽`)
葉っぱの裏に紫色の斑点がありますが、この色素にアンチエイジング効果
抗がん作用などを期待されているみたいです。
葉っぱの裏に健康成分の一つでもある色素がたっぷり! ↓
この色素、面白いのが 生命の危機を感じると強く出るようで
こんな感じでススキ系の強い雑草の中で競合させると ↓
こんなに紫(本来 葉っぱの裏っかわが色づくのですが、
もはや葉っぱの表面まで色素がにじんでる(;^ω^)・・・) ↓
こんな感じで半野生化させて 水分もギリギリまで控えて育て、開花直後に
収穫すると非常に香り成分が強く感じられます(≧▽≦)
個人的に超・好き【カプーアトゥルーシー】
個人的に大好きなのがこの「カプーア(カプール)トゥルーシー」!
ホーリーバジルらしい "ス~ッ" としたリラックスする香りと 甘い
バニラ系の香りがMIXした絶妙な香りのバランス(^^♪
剪定を小まめに繰り返し、分岐させるとこんもりと茂ってくれます♪
みずみずしいフレッシュな緑色が見ていて気持ちいい! ↓
香りの強さもほどよく、加熱調理した際もクセが強くないので
非常に使いやすい♪
ナッツと塩コショウ、コンソメ、オリーブオイルを混ぜて作るジェノベーゼソースは絶品!
レシピは以前の記事で紹介しています! ↓
◎ 超簡単! 採れたてフレッシュバジルで即調理 【簡単ジェノベーゼレシピ】
◎ いつでもレンチンして食べられる! 大量作り置き【冷凍ジェノベーゼ玉作ってみた】
温暖な地域だと非常に活発に育成してくれるので、食べきれなかった分は
毎月バリカンで刈り込んで、刻み切った葉・茎を寝室マド前の花壇に撒いています。
寝室に流れ込んでくる風が何とも言えない極上の香り~(´▽`)~ 熟睡確定♪
しかも花壇の草マルチになってくれて一石二鳥!
まとめ
ネット上のトゥルーシー(ホーリーバジル)の情報の中には
スピリチュアル色が強すぎるものや エビデンスが弱い物も多々あり、
うさん臭さ満載ではありますが、少なくとも自分が10年間育ててみた
実感として確実に言えることは
- 個人的にはメッチャリラックスできるいい香り
- イタリアン系の料理で絶妙なアクセントになってくれる
- 風土にマッチする品種を選べば想像以上にこんもり茂ってくれる
- 葉・茎・根・花と利用価値の塊(葉→料理 ・茎と根→燻製の燃料 ・ 花→ハーブビネガー)
- 実生(種まき)だと品質にかなりのバラつきあり
- 挿し木の活着率が高め(質のいいものを増やしやすい)
- 品種ごとにストーリーがあり 品種集めが楽しい
- 呼び名がいろいろ クリシュナ(シャーマ)・ラマ(ラーマ)・ヴァナ(ツリーバジル)・カプーア(カプール)など
- ネット上の情報では1年草との記述も多いが、温暖な地域では多年草としていける(本体が年老いてきても挿し木がめっちゃ簡単なので挿し木で更新してやればほぼ永続的にいける)
といったところ。
魅力がたっぷり詰まった植物なので家庭菜園などに
ぜひおススメのハーブです(≧▽≦)!
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・・・・【ここからは追記です】・・・・・
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自分なりに考える用途別おススメ品種
- クリシュナ(黒トゥルーシー) → とりあえず何か1種と言われたらコレ! 名実ともに最高位と呼ばれるトゥルーシー
- カプーア → 個人的に超すき。バニラ系の何とも言えない香りに癒されたいならコレ
- オオヤ → 健康効果・育てやすさ・香りとバランス抜群。育成で失敗したくない方におススメ
- ヴァナ → 薬効・デトックス特化型。純系は ほとんど見かけないのでレア植物としても◎ ニセモノが多すぎるので注意
- ラマ(白トゥルーシー) → クリシュナを買ったなら一緒に揃えたいトゥルーシー界の2台巨頭。 清潔感のある香りで味もクセがないので料理に使いやすい
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育て方のコツ
◎ 種まきの際、水かけ時にメネデールを200倍希釈であげると発芽率が上がる気がします。
◎ 挿し木で増やす際は挿し穂をメネデール100倍液に2~3時間浸すと良いようです。
◎ 実生で発芽して間もないころ・挿し木で発根するまでの1~2週間は湿り気味、
新しい葉が数枚出てきて成長が始まったら乾燥気味に管理すると良く育ちます。
◎ 切り戻しは小まめ(15cm伸びるごと)にすると良い感じに分岐して こんもり綺麗に育ってくれます。
(花を咲かせたい場合は35cm位の高さまでは 切り戻して→分岐させるサイクルで
育成し、35cm超えたら切るのをやめて放置すると分岐した先に大量に花を咲かせます)
◎開花期に水分量を控えめにして日光をギャンギャンに当てて育てると非常に香りが
濃縮するように思えます(葉っぱは多少小さく育ちます)
◎ 切り戻さないと垂直にヒョロッと伸びて風で倒れやすくなります。
◎ バッタなどの虫が多少つくことがありますが、そのまま放置して少量程度食い荒らさせた方が
味質のいい葉が収穫できるような気がします。(ストレスに対抗して生命維持のスイッチが入るのか!?)
◎ 種を購入した際は多少 別品種が混ざっていることもあるので
発芽後に違った特徴がみられるものは選別する必要がある。
(種のサイズがメチャクチャ小さいので封入までの過程で紛れ込むのか?
もしくはバジル全般交雑しやすいので多少の交雑がみられるのか?)
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挿し木での増やし方 コツ
(栽培歴10年で気づいたことを づらっと列挙したので、ひまひまで参考にしてみて下さい)
◎ 挿し穂は節間のつまった部位を選ぶこと(節から分岐していくので こんもりといい株に育ちやすい)
(下の写真のような株がbest。カッターで示している付近をカット! ↓ )
◎ 挿し穂は良く切れるカッターで一刀両断にスパッと切ること(切れにくいハサミだと断面の組織をつぶしてしまうので そこから腐っていく)
◎ 挿し穂の断面は一般的な斜めカットより水平カットの方が腐れにくいので成功する
◎ 挿し穂の切り口は節の7mm下をカット(万一切り口が腐りかけてもこの7mmのマージンで腐食が止まりやすい
逆に7mm以上でも以下でも× 7mmがbestです!)
◎ できれば最上部は節の直上でカット(のちにここから分岐します)
◎ 下の葉っぱは落とす 上の葉っぱは面積が広い葉がある場合は半分に切る
◎ 発根促進剤はメネデールで! ルートンはなぜか失敗しやすかったです(;^ω^)
◎ 土は安い培養土とかでも意外といける(肥料成分は少ないほど◎)。 土質より湿度の管理の方が重要(根が出て葉っぱが動き始めるまでは普通の植物程度に水かけ → その後は乾燥気味に管理すると微細根がメッチャ出る!)
◎ 裏技として以前「手軽に果樹コレクション!」で紹介した自作スリット鉢を作ると
非常に根張りのいい苗に成長する。
◎ 風の強い地域なら沢山挿し穂を作って密植方式15cm感覚位で株間を詰めて植えると
風に強い花壇になる
◎ 苗の移植前、土つくりの際は化学肥料より肥効の少ない(腐葉土、バーク堆肥)+
カキガラ有機石灰 の組み合わせがいい(肥料入れたいなら完熟牛糞堆肥を少な目に)
◎ カキガラ有機石灰は普通の植物より多めに(若干アルカリ寄りの土質の方が
質のいいバジルに育ちます)
◎ 挿した直後2週間は屋外の半日影、その後は日当りのいい場所へ
◎ 挿し穂に使えそうな枝が沢山ある場合は、大量に密植して挿して、その後
調子悪そうな穂をガンガン抜いていき 優良株を残す方法がいい ↓
挿して3~4日はしおれることもあるが意外とその後復活する。 ↓
2~3か月もすれば鉢からはみ出る位に元気よく成長! (3か月前に挿していた苗 ↓ )
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燻製・お香としての利用法
アーユルヴェーダでも重宝されているトゥルーシー。
良く乾燥させた茎や根っこは良く乾燥させて
◎ 刻んで燻製用のチップとして
◎ 棒状のままお香として
利用したりしていますお香としての用途ではスピリチュアル系の情報も
多々ありますが 正直 自分はそっち方面は良く分かりません(;^ω^)
お線香の代用品としてはいいのではないでしょうか・・
燻製チップとしてはよく利用しています。
桜チップやクルミなどと合わせるとまた香りに深みが出て
組み合わせ次第で楽しさ無限大です(≧▽≦)!
食材はシンプルにベーコンが合うような気がしています。
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実生の楽しさ
自分が「クリシュナ」と「ラマ」を実生から育ててみて感じた
"個体によって香りの強さが様々" という特性を逆に利用して、
大量に発芽させてその中からNo1の優良株を挿し木でクローン増殖して
(挿し木すると元株の特性をそのまま引き継ぎます)最高の株を大量に
増やすというのもいい考えかもしれません(^^♪
ホーリーバジルは挿し木の活着率がメチャクチャいいのでそういう意味でも
この方法 相性がよさそうです♨
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料理で楽しむ
合う料理としては
- ピザ(トマト系・マヨ系なんでも良く合う)部位→葉
- パスタ(ジェノバソースにしてもトッピングとしても◎)部位→葉
- 鶏肉系・ジャガイモ系の料理に香り付けとして 部位→葉
- 花を寿司酢に漬けこんでバジルビネガー作り 部位→花
- (番外編01)燻製作りのウッドチップに混ぜていぶす 部位→茎、根
● (番外編02)葉っぱを小分けラッピングして冷凍しておくと
各種料理の香り付けに使えて便利(取り出した直後に凍ったラップごと
モミモミすると簡単にハーブパウダーになります♪) 部位→葉
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愛犬に
人にとっていい効果満載のホーリーバジルなので 犬にも良かろうと
間引きした枝を愛犬のベッドに置いておくと たま~にカミカミして遊んでいるようです
(健康効果、癒し効果があるのかは謎ですが我が家の愛犬には好評です♨)
犬に対しての効果効能 危険性についてはまだまだエビデンスが出そろっていないようなので
我が家でも様子を見つつたまに少し上げる程度です。